授業記録   もどる

土(三好達治)
 
2001.2.21(水) 2校時
                                     三条市立月岡小学校 4年1組


授 業 記 録










































































































































































































































































はい、それでは、これからかく詩をノートに写しなさい。
(板書する) 
 土   
      三好達治
 蟻が
 蝶の羽をひいて行く
 ああ
 ヨットのやうだ

・つち
・が
・ちょう
・何、先生、あれも漢字で書くんですか。
難しい漢字があります。そのまま書いてごらんなさい。
・みえない。
ちょっと大きな漢字で書きますね。じゃあ。(「蟻」「蝶」を大きく板書)
・画数は何?
・先生、手が麻痺してなかなか書けない。(体育を終えたばかりで手がかじかんでいる)
そうだね。先生もそうです。がんばって書きなさい。
・はえって読むんでしょ。
・先生、はえ?
読み方はまあいいから、とにかく書いてごらんなさい。
・先生、羽ってこうでしょ。
このまま書きなさい。
・先生、書き順なんかバラバラでいいの。
そうですね。とにかく写せばいいです。
・書けない。
がんばって書きなさい。
・何を引いて。
読み方で気になる漢字があるでしょうけど、だまって写しなさい。
・先生見えない。
・やうだ。
・先生、羽って。
あのまま書けばいいの。
・え、だって羽ってこうじゃないの。
ね、なんかおかしいよね。いいんだよ。
・辞典持ってこようかな。
写し終わった人は、いつも通り黙って覚えていなさい。
・なんとかがなんとかの羽をひいていく。
・なにヨットのやうだって。
・ががちょうのはねを、
・ちょう?
・くも?
・かえるが・・・
はいじゃあね。Kさんの列起立。Kさんの列、Y君も立って。はい、じゃあ、前から読んでもらいます。わからない漢字字はでたらめでもいいです。適当に読んでごらんなさい。はいKさんからどうぞ。
・つち、みよしたつじ、え、なんだろうこれ。いいか、がで。がが、なんだこれ。はえか。はえのはねをひいていく。ああヨットやうだ。
はい。
・えーと、ありが。
題名から読みなさい。
・つち、みよしたつじ。ありが、なんだこりゃ、・・・・わかんない。
わからなかったら適当に読みなさい。
・ありが、なんとかのはねをひいていく。ああ、ヨットやうだ。
はい。
・つち、みよしたつじ。なんとかがなんとかのなんとかをひいていく。ああ、ヨットのやうだ。
それでいいんですよ。はい。
・つち、みよしたつじ。
わかりません。はい、さっきY君が言ったこれ(あり)正解です。これありです。(読み仮名をふる)
・先生、そのとなりわかんないよ。
・ちょうでしょ。
はい、じゃあ、Yさん、読んでごらんなさい。
・ちょう
土からどうぞ。
・全部? ありが・・
題名から
・つち、みよしたつじ、ありがちょうのはねをひいていく。ああヨットのやうだ。
その通りこれはちょうという漢字なんです。(読み仮名をふる)それから、さっき何人かの人が、やうだと書いてありますが、今の読み方をすれば、ようだ(板書)というふうに読みます。
それじゃあ、全員でちょっと読んでみましょう。さんはい。
・ありが・・・
待った、題名からですよ。さんはい。
つち みよしたつじ ありがちょうのはねを ひいていく ああヨットのようだ。
はい、全員起立。声に出して読んで、覚えた人からすわってごらんなさい。
(読み始める。30秒後、全員がすわる)
それじゃあ 全員 覚えたようですね。もう一回、読んでみましょう。さんはい。
ありが・・
題名からです。
つち みよしたつじ ありがちょうのはねを ひいていく ああヨットのようだ。
目を閉じて、さんはい。
・つち みよしたつじ ありがちょうのはねを ひいていく ああヨットのようだ。
羽という漢字ちょっとおかしいですね。今は羽という漢字はこういうふうに書きますが(板書)、昔の漢字、こんなふうに書きました。それでは、ききます。話者には何が見えていますか。見えているもの全て書きなさい。
・話者っ何だっけ。
・やっぱり漢字で書くんですか。
ひらがなでもいいですよ。
・図でかくの。
言葉で書きなさい。
(ノートに書く)
・先生、できました。
まだ一つも書けない人、いますか。せめて、一つは書きなさい。
・四個
・六個
はい、それじゃ、ききます。なんて書いたかな。そうだな、Mさん。一つだけ。
・はい。あり。
(ありと板書する)Aさん。
・ちょうのはね
ちょうのはね(板書)Mさん。
・わかりません。
Kさん
・わかりません。
わかりません。いいんですよね。はずかしいことじゃないですよ。Kさん。
・土
これ以外。Nさん。
・ヨット
はい。これ以外。Jさん。
・三好達治
はい。Yさん。
・ちょう、ちょうのはね。
ちょう?ちょうのはね?ちょう? どっち?
・ちょう
はいMさん
・コンクリート。
Mさん、まだあったら。
・穴
これ以外。 はい、おかしなものがありますね。どれがおかしいですか。Yさん。
・あな。
穴、なぜですか。
・詩だよね、あれ。詩の中に穴という言葉がないからです。
Mさん、それに対して。
・ない。
はい、じゃあこれ消します。Wさん。
・はい。三好達治さん。
わけは。
・だって、三好達治さんが詩を書いて、あの詩の中に三好達治って書いていないからです。
Jさん。
・うんとね、じゃあね、つぶしていいよ。
そうですね。これは作者ですから、これは見えていません。Yさん。
・はい、ヨットです。ヨットのようだと書いてあるからです。それはもう、土だと書いてある・・・、ヨットにはもう関係ないと思います。
さあ、ヨットについて意見があったらどうぞ。、
・はい、反対意見?賛成意見?
反対意見、賛成意見どちらでも。
・反対意見、
・賛成
じゃあ、賛成意見を聞いてみよう。Yくんと、だけかな、。Aさんも。じゃあ二人、じゃあ、Y君どうぞ
・あれ、三好達治さんは、ああヨットのようだと書いてあるから、ヨットは見えたから、ヨットはそれでいいと思う。
ちょっと待って、じゃあ話し合いの形にしてごらんなさい。
それじゃあ、ヨットの賛成か反対か聞きます。ヨットに賛成という人。ヨットは見えた、2人ですか。3人ね。はい、反対という人。
(25人)じゃあ、意見があったらどうぞ、Aさんからどうぞ。
・ヨットはちょうのはねをたとえてヨットにしているんんだから、・・・・ちがう。
・はい、Aさんに反対。
ちょっと、あのYくんちょっとがまんしていなさいね。反対意見つづけなさい。
・私はヨットに反対です。ヨットは、ヨットのように見えただから、それは見たわけじゃないと思います。
・Yさんにつけたしです。えっと、ヨットのようだとたとえたのはヨットがあったからではなくて、ありが蝶の羽を引いていて、蟻がヨットの下の部分で蝶の羽がヨットの、あのなんか三角の部分に見えたからヨットのようだとたとえたのであって、その、なんか風景にヨットがあったとはあまり考えられません。
・Kさんにつけたしで、別にヨットが見えたわけじゃなくて、ヨットのように見えたわけだからちがうと考えます。
・私はヨットが見えたのはちがうと考えます。ヨットのようだと書いてあって、ヨット自体を見たわけじゃないからです。
はい。ちょっと待って、○の人。今の対して、Mさんからどうぞ、今のに対して反論、Yくんある、どうぞ。
・いくら、あれ本当では、蝶の羽でも、見えたのはヨットなんだからヨットは見えたと考えます。
・反対意見どうぞ。
どうぞ。Tさんだね。
・じゃあ、なんで話者がヨットを見たとYくんがわかるんですか。
・T君に反対意見、えっと見たってわかるだっけ、だってさ詩の中にああヨットのようだって、書いてあるんだから、見なかったらあんなことは書いてないと思います。
・はい、えっと作者の三好達治さんは、ヨットに似たようなものを見てヨットをあの詩の中に入たんだから・・・ヨットは違うと思います。
はい、Aさん最後。
・別にヨット自体を見たわけじゃなくて、ヨットのように見えたんだから、ヨットはちがうと思います。
はい、これはちがいますね。Aさんが言ったように、例えているわけですから、これは実際にヨットが見えたわけじゃなくて、蝶の羽をヨットのようだと例えているわけだから、これはちがいます。わかりやすく言うと、田代先生は木村拓也のようだというと、田代先生はいるけど木村拓也がいるわけじゃありませんよね。それと同じですね。
もう一つ聞きます。コンクリートは見えますか。
・見えない。
Mさん、いいですね。
もう一つ聞きます。見えたのは蝶ですか、蝶の羽ですか。
・蝶の羽
蝶だと思う人。いませんね。蝶の羽ですね。
それでは、話者の目と蟻がひいていくものを図でかいてみます。これ話者の目、蟻がひいていくのは、こうひいてった、ひいていくのか、それともこうひくのか、それともこうひいたのか。



            A    B

           ↑   ↓

             →    @
              目


・わかんないよ。全然証拠がないんだもん。
・先生、目って・・・それ前から
こっちからこう見ているんですよ。話者はこっちからこう見ているんです。
・先生、まちがいこの中にある。
蟻が引いていくのは@ですか、Aですか、Bですか。正しいと思う番号を書いてごらんなさい。
・先生、わかる?
先生の考えはある。
・ちゃんとした証拠がないじゃん。
・証拠あるよ。
番号を書いて、理由も書けたら先生のところに持ってらっしゃい。
(持ってきた子に○をつける)
わからないという人? 番号だけ書けたらいいですよ。番号書けてない人いますか。それはいないね。じゃあ聞きますよ。Bから聞いていこうかな。Bだという考えの人、0。Aと考える人 12 @だと考える人(15人)よし、じゃあ理由を聞いていきますよ。Aの方から。はい、理由。A理由。立ってごらん。3人ね。はい、じゃあMさんから順番にどうぞ。
・えっと、三好達治さんの詩には、蟻が羽をひいていくと書いてあるから自分の後ろがわの方から、まっすぐにひいくいくと考えます。
Aさん、いいですか。同じね、じゃあ@の人どうぞ。えー窓側の人から順番に言っていきなさい
・えーと、横にしないと蟻と蝶がヨットのように見えないから横だと考えます。
・私は@だと考えます。わけはすぐ目の前を通っていくから、ヨットのように見えたと考えます。
・ひいていく時@とまじったからです。
・ぼくは@だと思います。わけは、理由はぼくは去年の夏に蟻を見たんですが、その蟻も羽をひいたんですけど、たてからみたら、その蟻は横から見るこういう
黒板に書いてごらん、せっかくだから。
・(黒板に書いて説明する)えっと、蟻は横から見ると、こういうふうに、これ蝶の羽で、横から見るとこういうふうだったから、縦からみるとこうふうだったから、縦から見るとこんなヨットはないと思った、考えたから横だと思います。だからぼくは@だと考えます。
・私は@だと思います。AやBだと縦で薄く見えるから@だと横でヨットのように見えるから@だと思います。
・ぼくも@だと思います。なぜかというと横から見ると蟻が横に通っていて、羽をたてて、持って歩いているからヨットに見えるんだと思います。
では、ここから討論になります。自由にどうぞ。
・Tさんに。それはTさんの見る方向で変わるんじゃないですか。
・えっと、
・私は@だと考えます。羽を運ぶとしても立てたときにAだと、Aのとおりにいってヨットに見えたのだとすると、運びずらいと考えます。@だと楽に縦になっているから、運びやすいと考えます。
・Aに反対です。Aだと話者の方からこういっているから、蟻が蝶の羽を引きずっているんだから、蝶の羽しか見えないと考えます。
・@に変わりました。
どうですかAの人。A消していいですか。もう一度人数聞いてみるね。Bの人いますか。(2人挙手)うんさっきY君、そう考えたの言ってごらん。辞書になんて書いてあったから。
・ぼくの辞典には、自分の方へよせるになっているから、Bだと思います。
Yさんさ。辞典をずっとそのまま見てってGだかHのところみてごらん。なんて書いてある。
・ながくのばす。
その次かな、それでもないな、その次。ひきずるってのないですか
Fか。ここの「ひいて」は、さっきKさんがいった「引きずる」というふうに考えたほうがわかりやすいと思います。自分の方にひきよせるとは、その意味とはちょっとちがいます。
では、さっきの話し合いの結果でみんながどういうふうに変わった聞いてみます。@だと考える人。
(22人)まだAだと、そう考える人。(3人)悩んでいる人もいるんだな。はい、これはこのままにしておきます。もう一つ聞きますよ。さっき、Tさんがかいてくれたけども、こんな図をかいてくれましたよね。
話者は、この蟻を、立って見ている(A)。いや、しゃがんで見ている(B)、いや、ねて見ている(C)。ABCどれだと思いますか。ノートに書いてごらんなさい。
立って見ているか、しゃがんで見ているか、ねて見てるか。
AかBかCか書く。
・悩むな
・立ってみてるのってA?
まだの人いますか。まだの人書く。AかBかCか書く。
よし、聞きますよ。A、立って見てると考える人、
(1人)一人ね。Bと考える人。(11人)Cと考える人
(13人)理由が言える人いるかな。A、Jさん理由言えますか。
・ふつう立って見ているから。
ふつう立ってるね。Bの人で理由ある人いますか。あったらちょっと立ってごらん。理由だけ聞くから。はいじゃあYさんとYさんね。
・わすれました。
・私はBだと思います。ほかのAとCだったら、ぜんぜん見えにくいから、私はBだと考えます。
これだと、見えにくい。よし、じゃあCの考えをきこうかな。立ってごらん。じゃあKさんが言って、Kさんがいって、じゃあ、Aさん最後。
・大きいから・・しゃがんで・・・ねてみないと、大きくて・・・ヨットには見えない。
・あの、蟻は小っちゃいから、立って見てたら、ごまつぶみたいに見えるし、しゃがんでもちょっとちっちゃく見えて、ねてみるとちょうどよいい大きさになると考えて、Cだと考えました。
今の聞いて何か言いたいことありますか。考え変わった人いますか。
はい、じゃあ、これはこれでいいです。
最後、もう一つだけ聞きます。一番最初にヨットのようだというのがありましたね。これは何を例えているんでしたか。
・蝶の羽
蝶の羽をたとえているんですね。そういうたとえていることを何と言ったか覚えていますか。
・比喩
(比喩と板書)たとえることを比喩といいました。作者の三好達治さんは、蝶の羽をヨットに例えました。だとすると、土はもし例えるとしたら、何にたとえたらいいと思いますか。
・蟻の巣
・蟻
もう一度聞くよ。蝶の羽をヨットにたとえたんです。土だったら何にたとえたらいいですか。
・蟻
・家
・海
今、海というのがでましたね。
先生もこれ海だと思うんです。蝶の羽をヨットにたとえたんだから、土はやっぱり海でしょ。
はい、それでは、今日勉強したことをノートにまとめなさい。