日本語の音
                                                                        TOSS SANJO 田代勝巳
 4月の授業参観でおこないました。日本語の音の授業です。『第1期・向山洋一全集5 入門期の国語授業』(向山洋一・明治図書)P.129〜142を参考にしました。

 最初に、百人一首(青札)をする。

指示1 あいうえおという50音図をノートに正しく書きなさい。
 
 数分後にやめさせる。1,2名指名して読ませる。
 板書する。

発問1 50音というのは、音が50あることですね。音はいくつありますか。 
 
 1分後にいくつあるか発表させる。

発問2 50ではないのに、どうして50音というのだと思いますか。
 

説明1 広辞苑によると「あいうえお・かきくけこ・さしすせそ・たちつてと・なにぬねの・はひふへほ・まみむめも・やいゆえよ・らりるれろ・わゐうゑを」で50音と数えています。「いうえ」が重なっているので、音は全部47こになります。 「ん」は50音の中に入れていません。「ゐ」「ゑ」は、昔は別の発音をしていたようですが、今は区別していません。
 

発問3 今から1200年間の人がこの47の音から歌をつくりました。何という歌か知っていますか。
 

指示2 「いろはうた」を言える人いますか。家の人に相談してもいいです。
 
 わからないようであれば、
 「いろはにほへとちりぬるを わかよたれそつねならむ うのおくやまけふこえて
  あさきゆめみしひもせす」と書いたものを提示する。
 本当に47音をつかっているか板書した50音図をもとに確かめる。

発問4 「いろはうた」を漢字にするとどうなりますか。
 
  「色は匂うへと散るぬるを 我か世誰そ常ならむ 有為の奥山今日越えて
  浅き夢見し酔いせす」

指示3 実はこの「いろはうた」には暗号が隠されていると言われています。ひらがなで書いてある4行詩を7文字ずつ7行詩に書きなおしてごらんなさい。
 
  いろはにほへと
  ちりぬるをわか
  よたれそつねな
  らむうのおく 
  やまけふこえて
  あさきゆめみし
  ゑひもせす
 

指示4 一番最後の文字だけ読むとどうなりますか。
 

説明2 「とかなくてしす」漢字で書くと「咎なくて死す」となります。咎とは罪のことです。つまり罪がないのに死んでしまったという暗号が隠されているのです。誰のことを言っているかというと、いろいろな説がありますが、芦原道真かあるいは柿本人麻呂のことを言っているのではないかと言われています。今から1200年前によくここまで考えたものですね。
 
 

指示5 47個の音がでてきました。しかし日本語の音はもっとあります。全部でいくつぐらいあると思いますか。ノートに書いてごらんなさい。
 

発問5 日本語の音は約120あると言われています。どのように数えたのでしょうか。
 
 がぎぐげご、しゃしゅしょ、びゃびゅびょなどを全部数えたのである。(120という説、125という説ざまざまある)
 
 参考までに120音とは、次の音である。

 あいうえお かきくけこ さしすせそ たちつてと なにぬねの はひふへほ
 まみむめも や ゆ よ らりるれろ わ を ん(46)

 がぎぐげご ざじずぜぞ だ  でど ばびぶべぼ(濁音18)

 ぱぴぷぺぽ(半濁音5)

  きゃきゅきょ しゃしゅしょ ちゃちゅちょ にゃにゅにょ ひゃひゅひょ
  みゃみゅみょ りゃりゅりょ しぇ ちぇ てゅ (拗音24)

  ぎゃぎゅぎょ じゃじゅじょ びゃびゅびょ ぴゃぴゅぴょ じぇ でゅ
                        (拗音の濁音と半濁音14)

 ふぁ ふぃ ふぇ ふぉ う゛ぁ う゛ぃ う゛ぇ  う゛ぉ うぃ うぇ うぉ
 てぃ でぃ  (その他 13)

※このほか、「ぢ」「づ」「とぅ」「どぅ」「つぁ」「つぇ」「きぇ」「ひぇ」「ぎぇ」等も使われる場合がある。
 
 
  

指示6 日本語はこれらの音でできています。では「しゃ」「しゅ」「しょ」のつく日本語をそれぞれ3つずつノートに書いてごらんなさい。ふつうカタカナで書くものはぬかします。
 
 3分後、書けた子から板書させる。
  しゃ・・・しゃかい、しゃりょう、しゃち、しゃれ、しゃしん
  しゅ・・・しゅくだい、しゅうじ、しゅうりょう、しゅうり
  しょ・・・しょうぼう、しょくどう、しょうかき、しょうがっこう

指示7 では「きゃ」「きゅ」「きょ」のつく日本語をそれぞれ3つずつノートに書いてごらんなさい。
 
 3分後、書けた子から板書させる。
  きゃ・・・きゃく、きゃくま、さんきゃく、
  きゅ・・・きゅうり、きゅうこん、きゅうきゅうしゃ、きゅうしょく
  きょ・・・きょじん、きょうしつ、きょうかしょ、きょうとう

指示8 では「ひゃ」「ひゅ」「ひょ」のつく日本語をノートに書いてごらんなさい。
 
 ひゃ・・・ひゃく、ひゃくしょう、ひゃくえん
 ひゅ・・・ひゅうが、ひゅうひゅう
 ひょ・・・ひょうざん、ひょうたん、ひょう、ひょうじ
 

説明3 「ひゅ」のつく日本語は、「日向」(昔の宮崎県、日向市もある)と「ひゅうひゅう」(風の吹く音)しか先生も知りません。「ひゃ」は百を使った言葉以外は拍子(ひゃくし)があります。奈良時代に伝わったとされる楽器です。
 
 

指示9 では「みゃ」「みゅ」「みょ」のつく日本語をノートに書いてごらんなさい。
 
 みゃ・・・みゃく、さんみゃく、みゃくりゅう
 みゅ 
 みょ・・・みょうが、みょうじ、じゅみょう
 

説明4 日本語に「みゅ」のつく言葉はあるのでしょうか。実は・・・ 答えはこの次にいいます。皆さんも考えておいてみてください。
 
 「みゅ」は金田一春彦氏によると、大豆生田(おおまみゅうだ)という性にしかないということである。このほか豆生田(まみゅうだ)という性・地名、また方言としていくつかあるようである。詳しくは『第1期・向山洋一全集5 入門期の国語授業』(向山洋一・明治図書)P.129〜142を参照。

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