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金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に


田代勝巳(TOSS SANJO)

6年国語(光村図書)、短歌の授業である。与謝野晶子の「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に」を分析批評によって授業した。


指示1 この短歌を自分なりに読みなさい。

列氏名で読ませていく。一列終わったら、どの読み方がよかったか全体に聞く。さらにもう一列読ませ、だれがよかったか聞く。

指示2 どこで区切って読めばいいのでしょうか。自分で考えて読む練習をしなさい。

練習させた後、読みたい子に読ませてみる。

指示3 先生のあとについて読みなさい。(追い読みをする)

追い読みの後は、子どもだけで一斉読み、男子だけで、女子だけで、列ごとにと読む練習をする。

指示4 この短歌を視写しなさい。

教師も板書する。速く書き終えた子は、短歌を暗唱するように言っておく。

発問1 季節はいつですか。

「秋」である。理由もきく。「銀杏」が根拠となる。

発問2 話者から見えるものは何ですか。

夕日
銀杏


発問3 この中でおかしなものはありませんか。

「鳥」がおかしいとなった。理由をノートに書かせた。
「金色のちひさな鳥のかたちして」というのは銀杏のことを言っているから。
表現技法でいうと「比喩」であることを確認した。

夕日、銀杏、岡が残るであろう。
それぞれ正しいと思うか挙手させてきいていく。

「今日は、これが本当に正しいのかどうかこれから勉強していきます。」
と言って次の発問に移る。

発問4 話者はどこにいるのですか。 

岡の上、
岡が見えるところ、
別の岡

発問5 話者は、A岡の上にいるのですか。それとも、Bそれ以外のところにいるのですか。

ノートに理由も書かせ、討論する。
黒板に図をかいて説明させるともりあがる。

Aの理由
・「鳥のかたちして」とあるので、銀杏の近くに話者はいる。だから岡の上だ。
・銀杏の葉一枚一枚が鳥のかたちに見えたのだ。(銀杏の葉を図示する)
・銀杏の葉の形が翼に見える。
Bの理由
・「夕日の岡」だから、岡が見える場所にいる。だから岡の上にはいない。
・銀杏の葉のかたちはわからないが、なんとんなく鳥のように見えたのだ。
・遠くから見て、なんとなく鳥の形に見えた。

討論の中で、「鳥のかたち」「夕日の岡」が論点となる。
討論のあと、教師の解を示す。

(教師の解)
ここでは、葉の一枚一枚が鳥のように見えたとする方が自然であることを話し、銀杏の葉をPCで見せた。

さらに銀杏の木の写真を見せ、遠くからでは葉のかたちが見えないことを確認した。
したがってAであると話した。
岡の上にいるのであれば、話者は「岡」が見えていないことになる。「岡」というのは小高い山であり、その全体像が見えていないと見えたことにはならないからである。

発問6 話者、銀杏、夕日の位置を図で示しなさい。

子どもからだされたものを、次の二通りに整理する。

A 話者 → 銀杏 →  夕日
B 夕日 → 話者 →  銀杏

それぞれ理由を書かせて討論する。

(教師の解)
PCで夕日の映像を見せる。Aの場合だと、逆光となって銀杏が金色には見えない。したがってBのように、話者の視界には夕日が入っていないことを話す。

発問7 もう一度聞きます。話者から見えるものは何ですか。銀杏だと考える人?夕日?岡?

指示5 今日、学習したことをノートにまとめなさい。



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