(C)TOSSインターネットランド /小学校/6年生/国語科/短歌/分析批評/



石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも


田代勝巳(TOSS SANJO)

6年国語(光村図書)で、初めての短歌の授業である。「石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」を分析批評によって授業した。発問5,6は『向山型国語教え方教室』(No13)P45の雨宮久氏の論文をもとにした。


指示1 この短歌を自分なりに読みなさい。

列氏名で読ませていく。一列終わったら、どの読み方がよかったか全体に聞く。さらにもう一列読ませ、だれがよかったか聞く。

指示2 どこで区切って読めばいいのでしょうか。自分で考えて読む練習をしなさい。

練習させた後、読みたい子に読ませてみる。

説明 教科書34ページ。読みます。「・・・・・短歌は五・七・五・七・七の三十一音から成ります。」ですから、「石走る・垂水の上の・さわらびの・萌え出づる・春になりにけるかも」と読みます。

指示3 先生のあとについて読みなさい。(追い読みをする)

追い読みの後は、子どもだけで一斉読み。立って3回読ませる。

指示4 この短歌を視写しなさい。

教師も板書する。速く書き終えた子は、短歌を暗唱するように言っておく。

発問1 意味のわからない言葉はありませんか。

教科書の脚注に書いてあることを確認する。
・石走る→水が岩にはげしくぶつかってはねている様子
・垂水→たき
・さわらび→芽を出したばかりのわらび
これ以外にも次のことばを確認する。
・萌える(国語辞典で調べさせる)→草木の芽がでる。目がのびる。
・なりにけるかも(教師が説明する)→「〜になったんだなあ」

発問2 話者から見えるものは何ですか。ノートに書きなさい。(箇条書きにさせる)

3つ書けた子から、ノートを持ってこさせ、どれか一つを板書させていく。
次のようなものがだされた。
(1)たき
(2)さわらび
(3)水 
(4)岩
(5)萌える
(6)春

発問3 この中でおかしなものはありませんか。

「春」は見えないということで、取り消された。「萌える」が見えると見えないに分かれたが、互いに理由を簡単に言わせて、「芽がでている様子」を「萌える」というので見えているということで落ち着いた。

発問4 見えている色は何色ですか。

(1)緑
(2)透明(水の色)
(3)茶(土の色)
(4)岩の色
以上の色がだされた。緑は緑でも、この場合はなんというか聞いてみた。わからないようだったので、「新緑」と教え、意味を国語辞典で確認させた。

発問5 垂水とさわらびの絵をかきなさい。かいたら話者の位置を目玉で示しなさい。

板書させて、おかしなものはないか検討する。
次の点を検討していく。
(1)垂水の上のほとりにさわらびがある。
(2)垂水の下には岩があり、水がぶつかってはねている。
(3)話者は垂水の下から見えている。

発問6 話者が見たもの、感じたことを文章にします。先生の言う書き出しで始めなさい。「山を歩いていくと・・・」

板書させて評定する。次の(1)〜(3)が入っていて、文章として意味が通っていれば10点。
(1)垂水の様子 
(2)さわらび 
(3)春になったんだな(と感じている)


TOPページTOSSインターネットランドご意見・ご感想
TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)
このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません